リンパ腫

1.悪性リンパ腫とは

リンパ系の組織(リンパ節、胸腺、脾臓、扁桃腺などの組織・臓器、リンパ管、リンパ液)から発生する腫瘍です。リンパ系組織は全身に分布しているので、悪性リンパ腫は全身のいたるところに発生します。

2.分類

悪性リンパ腫は、様々なタイプに分類されます。リンパ球のタイプからはホジキンリンパ腫(約10%)と非ホジキンリンパ腫(約90%)に分類され、部位からはリンパ節から発生する節性リンパ腫とリンパ節以外の臓器に発生する節外性リンパ腫に分類されます。

節外性リンパ腫の中でMALTリンパ腫(mucosa-associated lymphatic tissue lymphoma)と呼ばれる特徴的な疾患もあります。消化管では胃に最も多く発生し、70〜80%がヘリコバクター・ピロリ菌の感染によって引き起こされてきます。多くは小型のB細胞あるいは成熟した形質細胞由来です。消化管の中で、MALTリンパ腫に次いで多いのが、びまん性大細胞性B細胞性リンパ腫です。

一方、T細胞由来のリンパ腫は消化管では極めてまれとされています。これらの特徴は治療方針を決める上で非常に重要です。

非ホジキンリンパ腫は、病気の進行速度によって分けることができます。進行速度が速いタイプを高悪性度(リンパ芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫)、ゆっくりなものを低悪性度(ろほう性リンパ腫、MALTリンパ腫)、中間を中悪性度(びまん性大細胞性B細胞性リンパ腫、未分化大細胞リンパ腫)と分類しますが、強力な化学療法や造血幹細胞移植などの進歩した現在では、高悪性度でも根治的治療が望めます。

3.症状

症状は多彩で、発熱、体重の減少、寝汗を伴うことがあり、これらの3つの症状を「B症状」といい、特徴的です。さらに、首、わきの下、太もものつけ根などのリンパ節の多い部位に、痛みを伴わないしこりが触れるなどの症状もよく認められます。

血液検査ではB型・C型肝炎、ヒトTリンパ球向性ウイルスI型、ヒト免疫不全症ウイルス、Epstein-Barrウイルスなどの抗体価測定が有用な場合もあります。さらに、可溶性インターロイキン‐2(IL-2)受容体やチミジンキナーゼなどを腫瘍マーカーとして測定することも一般的です。

病気の広がりをみる検査法として、胸部X線検査、コンピュータ断層撮影、核磁気共鳴検査、ガリウムシンチグラフィー ポジトロン・エミッション・トモグラフィーなどがあります。消化管を検索するには胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査などが有用です。

また、組織を病理学的に検討するためにリンパ節の一部を採取することも一般的です。さらに組織の一部は、染色体検査や遺伝子検査に用いられ、リンパ腫の病型(タイプ)が決定されます。中枢神経系への広がりが疑われる場合には骨髄の穿刺吸引検査・生検や脊柱管の脳脊髄液を採取こともあります。

3.治療

一般に、悪性リンパ腫の治療法には放射線療法、化学療法(抗がん剤)、生物学的製剤(抗CD20抗体)、造血幹細胞移植(自家移植、同種移植)などがあり、病状に応じて組み合わせることもよく行われます。H.pylori陽性のMALTリンパ腫に対しては除菌療法で80〜90%が治癒するとされています。MALTリンパ腫を初めとする消化管原発リンパ腫は節性リンパ腫に比較して予後は良好とされています。

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