膵酵素

1.膵酵素の働き

 膵臓の重要な働きの一つとして消化酵素の分泌があります。食物は口と歯で粉砕され、胃で胃液と運動により粥状にされますが、それだけでは栄養素として吸収されません。様々な消化酵素により分解されることにより小腸で吸収されます。例えば米飯やうどんなどのデンプンは膵アミラーゼによりマルトース(麦芽糖)に分解され、さらに小腸でブドウ糖に分解され吸収されます。タンパク質を小腸で吸収出来るアミノ酸に分解するのにはトリプシンの助けが、中性脂肪を脂肪酸に分解するのにはリパーゼが必要です。その他にも種々の消化酵素があります。膵臓で作られた消化酵素は膵液の成分として膵管を経由して十二指腸に分泌されます。

2.血液検査での膵酵素値異常

 膵酵素は正常な人でも血液中に検出されますが、膵臓に炎症が起こって膵臓の細胞が壊れた時や、膵癌などで膵管が詰まって膵液の流れが悪くなった時などに高値となることがあります。膵酵素が高値の時には膵臓の病気を疑って腹部超音波検査やCTなどの画像検査を行うことが一般的です。膵臓の検査に用いられる膵酵素はアミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなどですが、測定法が簡便なため多くの医療機関では最初にアミラーゼを測定しています。

3.膵臓以外の病気

 アミラーゼは膵臓以外に唾液腺にも豊富に存在しておりデンプンの消化を助けています。そのため唾液腺の疾患でもアミラーゼが高値を示すことがあります。唾液腺で作られるアミラーゼと膵臓で作られるアミラーゼは種類が異なるために精密検査で区別することができます。血中アミラーゼ値が高い時には、アミラーゼが唾液腺型か膵臓型かを確認したり、リパーゼなどの他の膵酵素の値を確認して唾液腺の病気も否定する必要があります。血液中のアミラーゼは腎臓から尿中に排泄されるので、慢性腎不全など腎臓の機能が低下している時には高値を示すことがあります。また、血液中のアミラーゼに他のタンパク質が結合して大きくなってしまうために腎臓から排泄されにくくなり、血中アミラーゼが高値を示すマクロアミラーゼ血症という病態もあります。その他にも膵臓の病気以外の原因で血液中膵酵素が高くなる場合はいろいろありますが、異常を指摘された場合には、まず消化器内科を受診することをお奨めします。

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