インターフェロン療法

1.インターフェロンとは

ウイルスなどの感染を受けたときに高等動物の細胞内、特に白血球、リンパ球などで作られるタンパク質です。抗体のように特定のウイルスにのみ反応する物質とは異なり、非特異的にウイルス増殖を抑制する物質であり、免疫活性化作用、腫瘍細胞の増殖抑制作用なども持っています。現在、医薬品として種々のインターフェロンが承認されていますが、消化器病領域では、B型およびC型肝炎ウイルスによる慢性肝疾患の抗ウイルス治療に用いられ、製剤ごとに対象疾患、投与方法が異なります(表1)。尚、ペグインターフェロンは、インターフェロンにポリエチレングリコール(ペグ)を付加し体内での持続時間を延長したものです。通常のインターフェロンαは週3回の注射を必要としますが、ペグインターフェロンは週1回の注射となります。

2.治療の実際

1)B型慢性肝炎

ウイルスの完全排除は困難であり、治療目標はウイルス量を減少させ肝炎を沈静化させることです。年齢、経過、進行具合などを考慮して治療手段を決定しますが、薬物治療の一つとしてインターフェロンが使用されます。しかし、B型慢性肝炎に対するインターフェロンの効果は限定的なものであり、無効例も少なくありません。現在、B型慢性肝炎に対する治療の主体は、核酸アナログ製剤と呼ばれる経口抗ウイルス薬であり、ガイドラインにおいても、インターフェロンの対象は、自然寛解の可能性が存在する35歳未満の症例となっています。

2)C型慢性肝炎

C型慢性肝炎の抗ウイルス治療は、インターフェロンを主体としたものになります。インターフェロンの治療効果は、ウイルスのタイプ及び量に左右され、タイプ1型は2型より効きにくく、ウイルス量が多いとより効きにくいことがわかっています。現在、初回治療症例に関しては、表2に示すような治療選択が、ガイドラインとして推奨されています。  

インターフェロンが効きにくい高ウイルス量症例には、ペグインターフェロンとリバビリンという経口抗ウイルス薬の併用が標準治療となります。日本人に多く、難治性であるタイプ1型・高ウイルス量症例に対しては、インターフェロン単独治療では約5%の方にしかウイルス消失すなわち治癒が望めませんでしたが、ペグインターフェロンとリバビリンの併用治療を48週間行うことで、約半数の方に治癒が得られるようになりました。

また、インターフェロンによる治療開始当初は、保険上1回の治療しか認められませんでしたが、現在は再治療も可能となり、ウイルス消失が困難な場合は、炎症抑制を目的とした少量インターフェロンの長期投与も可能となっています。更に、タイプ1で高ウイルス量の症例以外においては、肝硬変まで進展したあとでもインターフェロンを使用することが可能になっています。

3.副作用について

インターフェロン療法には、副作用が伴います。軽いものから重篤なもの、経過を見ればいいものから治療の中止を要するものまで様々な副作用が出現します。殆どは治療後消失しますが、後遺症を残すものもあります。しかし、副作用への対応策も十分整っていますので、専門医の管理の下、治療を行うことが重要となります。

 

表1 各種インターフェロン(IFN)製剤の特徴

IFN製剤 使用可能な疾患 注射
経路
自己
注射
その他
B型
慢性
C型
慢性
肝硬変
IFNα × 皮下、筋肉 ○(C型のみ)  
IFNβ ○(一部) 静脈 ×  
IFNα-2b × 筋肉 リバビリンと併用可
IFNアルファコン-1 × × 皮下  
ペグIFNα-2a × × 皮下 × リバビリンと併用可
ペグIFNα-2b × × 皮下 × リバビリンと必ず併用

 

表2 慢性C型肝炎に対する初回インターフェロン(IFN)治療選択のガイドライン

  タイプ1型 タイプ2型
高ウイルス量 ペグIFNα-2a + リバビリン 48週
ペグIFNα-2b + リバビリン 48週
ペグIFNα-2b + リバビリン 24週
低ウイルス量 IFN単独療法 24週
ペグIFNα-2a単独療法 24-48週
IFN単独療法 8-24週
ペグIFNα-2a単独療法 24-48週

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