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専門医の健康診断

下痢と便秘

下痢

下痢とは、便の水分量が増して泥状〜水様になった状態をいいます。多くの場合、排便の回数も増えてきます。
下痢はいろいろの原因で起こりますので気をつけましょう。次のような場合は、 すぐに医師の診察を受けて下さい。

  1. 海外旅行中あるいは帰国後に下痢が起こったとき。
  2. 下痢とともに発熱がみられるとき。
  3. 下痢に血が混じっているとき。
  4. 長い間下痢が続いているとき。とくに体がやせてきたり、腹痛が加わってきたときには要注意です。

急激に下痢が起こったときは、法定伝染病やその他の感染症、食中毒のことが ありますので気をつけましょう。また慢性にだらだらと下痢が続く場合には、過敏性腸症候群のことが多いのですが、中には吸収不良症候群や、潰瘍性大腸炎、クロ ーン病など難病に指定されている重大な病気がかくれていることもあります。 

難病に指定されている病気の療養には医療費の補助がありますので、医師に御相談下さい。急に下痢が起こったとき、とりあえず気をつけるのは、水分が体の外 へ 出てしまって脱水になっていないかということです。ことに乳幼児は、大人に較べて体の水分がもともと少ないので脱水になりやすく、注意が必要です。
下痢で失った水分は補う必要があります。点滴が一番よいのですが、とりあえずうすい食塩水やこれにブドウ糖を加えたものを飲むのがよいでしょう。水分をとる と下痢便が増すことがありますが、出入りがプラスになればよいので、あまりおそれることはありません。

便秘 

便秘とは、排便の回数が減ることです。排便の回数は人によっていろいろで1日 2〜3回の人から2〜3日に1回位の幅に広がっています。この幅からはずれている場合は一応異常かもしれないと考えますが、1日3〜4回でもあるいは3〜4日 に1回でもそれが長年の排便習慣で、全く苦痛がなければ便秘と考えなくてもよいでしょう。しかし、便秘薬を使わないと出ないとか、2日に1度でも腹がはって苦 しくなるなどという場合は便秘として治療した方がよいでしょう。 

すぐ医師を受診した方がよいのは、 

  1. 最近急に便秘になってきた。
  2. 変形した便が出るようになった。
  3. 便に血がまじるようになった。

ときです。 

このような場合は直腸癌の心配がありますので、必ず受診して下さい。痔と思っ ても最近治療を受けていない場合は1度みてもらうのが安全です。痔があって一緒に直腸癌も合併していることが稀ではないからです。
便がでなくなって、強い腹痛が出てきたとき、あるいは吐気が起こってきたときは腸閉塞(イレウス)の心配がありますので急いで受診して下さい 

長期にわたって便秘が続いている場合は習慣性便秘や過敏性腸症候群のことが多いので、排便をスムーズにするために、食事や日常生活習慣、薬の使い 方など専門医の指導が必要になります。
環境が変わったり、緊張が続いたりしたときはよく便秘になりますが、これはあまり気にしなくても自然によくなってきます。
また他の病気で服用している薬の副作用で便秘になることがありますので、気になるときは薬をもらっている医師によく症状を伝えて対策をたててもらって下さい。

帝京大学市原病院 内科教授 中村 孝司 



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