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健康情報誌「消化器のひろば」No.11

健康情報誌「消化器のひろば」No.11

消化器どうしました?Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 学校でのピロリ菌検査はどうなっていますか?

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 ピロリ菌は5歳頃までに感染し、胃・十二指腸潰瘍やポリープ、胃がんなどの原因となります。除菌治療を受けないと一生胃の中に感染しています。上下水道が完備された1970年代以降に生まれた人の感染率は低く、40歳代で20%以下、10歳代では5%以下です。

 感染早期、できるだけ若いうちに除菌するほど、胃がんなどピロリ菌による病気を予防することができます。また、若い人のピロリ菌感染は家族内、特に母親からの感染がほとんどであるため、若い世代で除菌することは次世代への感染予防効果も期待できます。

 そのため、中学生、高校生を対象としたピロリ菌検査や陽性者に対する除菌治療が市町村や都道府県単位で行われています。北海道では42市町村で実施され、佐賀県では全県の中学3年生に実施されています。その他、兵庫県篠山市、岡山県真庭市、大阪府高槻市、大分県豊後高田市、秋田県由利本庄市など全国に広がっています。無症状の生徒を対象とするため、苦痛を伴わない尿検査でピロリ菌を調べることが多く、他に便検査や血液検査の地域もあります。陽性の場合、尿中抗体検査はピロリ菌が陰性なのに陽性と出る偽陽性が30%前後あるため、医療機関で尿素呼気試験を行い、この検査で陽性の場合に除菌治療の対象となります。中学生は胃がんリスクがほぼないため、胃痛や貧血、胃がん家族歴など希望がある場合を除いて、内視鏡検査を行いません(図)。除菌治療は自治体等の負担または自費で行われます。除菌薬は成人の二次除菌の薬剤を用い、2ヵ月後以降に呼気試験で除菌の成否を確認しています。

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<回答者>

国立病院機構 函館病院
消化器科 部長

間部 克裕

国立病院機構 函館病院 消化器科 部長 間部 克裕近影

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