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健康情報誌「消化器のひろば」No.12

健康情報誌「消化器のひろば」No.12

消化器どうしました?Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 症状のない胆石はとったほうがいいですか?

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 胆石症では、みぞおちや右上腹部に疝痛(胆石発作)を伴うことが特徴的ですが、自覚症状を伴わず、検診などで偶然に発見されるケースも少なくありません。特に、胆嚢に胆石を認める胆嚢結石症では、約35%の患者さんで無症状だったと報告されています。無症状の胆石を治療すべきかどうかは、胆石が胆嚢にあるのか、胆管(総胆管)にあるのかによって大きく異なります。

 無症状の胆嚢結石では、そのあと痛みなどの症状が出現する率は年に2~3%とされ、多くの場合、無症状のまま経過します。また、経過中に胆嚢にがんが見つかることもまれであることから、治療の必要はなく、年1回の腹部超音波検査による経過観察が推奨されます。ただし、胆嚢に著しい萎縮や変形がある場合や、たくさんの胆石がある場合には超音波検査で胆嚢の状態を十分に観察することができません。胆嚢がんが隠れている可能性もあることから、無症状であっても手術(胆嚢摘出術)を勧められる場合があります。

 他方、胆石が総胆管の中にある総胆管結石では急性胆管炎を発症することが多いため、診断後は無症状であっても治療を受けることが必要です。急性胆管炎は重症化しやすく、生命に関わる危険な状態になることもあります。治療は、内視鏡を使って総胆管の十二指腸への出口から胆石を取り除く方法が広く行われています。総胆管と胆嚢の両方に胆石を認める場合には、内視鏡で総胆管の胆石を取り除いた後、手術(胆嚢摘出術)が必要となることがあります。

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<回答者>

東北大学 大学院医学系研究科
消化器外科学

大塚 英郎

東北大学 大学院医学系研究科 消化器外科学 大塚 英郎近影

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