English

健康情報誌「消化器のひろば」No.13

健康情報誌「消化器のひろば」No.13

消化器どうしました?Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. B型肝炎の再活性化について教えてください

図

 B型肝炎ウイルス(H BV)を有する患者 さんに対して、化学 療法を施行する際に、HBVが増 殖(再活性化)し、肝障害を引き起 こすことをB型肝炎の再活性化と いいます。HBVの再活性化は、と きには重症肝炎や劇症肝炎を起こ し、生命が脅かされることもあるの で注意が必要です。健常時にはH BVを自分の免疫によって抑え込 めているのですが、化学療法によっ て免疫力が低下すると、抑え込め ていたはずのHBVが抑え込めな くなり、増殖を来してしまうのです (図)。

 HBVの再活性化は、HBVを 高ウイルス量保有しているB型肝 炎のキャリアといわれる患者さん から発症するだけでなく、過去にB 型肝炎にかかったけれど、治った と考えられている患者さんにおい ても、再活性化を来すことがありま す。HBVはいったん罹患すると、治ったと思っていても肝臓内に潜 伏して残っていることが多いので す。化学療法を受ける日本人の患 者さんでキャリアは1.3%、既往 感染は20.30% 存在すると言わ れ、知らないうちに感染しているこ ともあり、化学療法前に検査が必 要です。免疫抑制効果が強い化学 療法ほど起こりやすく、化学療法 期間中のみならず、終了して数ヵ 月してからでも発症することがあ ります。HBVキャリアの患者さ んには、化学療法施行時にエンテ カビルまたはテノホビルなどの抗 ウイルス薬を予防投与し、既往感 染の患者さんは、採血にてHBV DNAを1 ~ 3 ヵ月ごとに測定し て早期に再活性化を見つけること が重要です。

 

図

<回答者>

国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院
肝胆膵内科 肝胆膵内科長

池田 公史

国立研究開発法人 国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 肝胆膵内科長 池田 公史近影

ページトップへ