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近畿支部第107回例会 司会の言葉

近畿支部第107回例会 司会の言葉

シンポジウム1「ウイルス性肝炎治療の最新の知見」
司会:田守 昭博(大阪市立大学大学院医学研究科肝胆膵病態内科学)
司会:阪森亮太郎(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
C型肝炎に対してDAA治療が導入されて以来、IFN時代において難治例とされた高齢者や肝硬変症例のみならず、肝癌治療後、肝移植後や肝外疾患合併症例においても高率にウイルス学的治癒が得られるようになった。しかしながらDAA治療不成功例や耐性変異症例、薬剤導入困難症例への対策、薬剤選択基準など未解決の問題が残されており、またSVR後における発癌抑制、線維化・予備能の改善など予後改善効果について未だ不明確な点が多い。一方、B型肝炎においては核酸アナログ製剤やIFNが治療の主流であり、一定の効果が得られるもののウイルスの完全排除には至っておらず、ウイルスの再燃や治療経過中の発癌など解決すべき問題点は多い。特にHBs抗原消失を目指した薬剤選択や治療効果予測など新たな治療戦略が重要な課題である。本シンポジウムではウイルス性肝炎治療における課題を最新の知見とともに幅広く議論したい。

 

シンポジウム2「消化器癌化学療法の進歩と課題」
司会:佐藤 太郎(大阪大学大学院医学系研究科先進癌薬物療法開発学寄附講座)
司会:林  義人(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
切除不能消化器癌に対する化学療法は、この十数年で目覚ましい進歩を遂げている。従来の古典的薬剤に加えて、新規の殺細胞性抗がん剤や分子標的薬剤の登場が効を奏し、生存期間は飛躍的に延長している。一方で、治療アルゴリズムは多様化し、より効率的・効果的に薬物療法を進めていくには、様々なバイオマーカーを同定することが重要である。治療変更の的確なタイミングを図ることや副作用を適切にマネジメントすることも重要な課題である。近い将来の免疫療法の登場を控え、手術療法や放射線療法を組み合わせた集学的治療は、今後も検討されていくべき課題である。本シンポジウムでは、未だに難治性癌である各消化器癌腫に対して各施設で取り組まれている様々な工夫や治療成績を示していただき、治療戦略を議論して頂きたい。また、がん薬物療法による副作用のマネジメントについても意欲的な紹介を期待したい。

 

パネルディスカッション「胆膵疾患診療の最前線」
司会:安田健治朗(京都第二赤十字病院消化器内科)
司会:北野 雅之(和歌山県立医科大学第2内科)
胆膵疾患診療への新しい取り組みは今日なお、積極的に行われている。画像診断技術の発展は早期発見が難しいと言われていた胆膵疾患の予後向上に寄与することが期待されてきている。最近、早期膵癌の診断において拾い上げから確定診断までの地域医療連携の重要性も報告されてきている。また、ERCP、EUS等の内視鏡技術は、病理診断、閉塞性黄疸治療、経消化管的瘻孔形成術、消化管ステンティング等、多種多様な診断・治療を目的に活用されている。胆道・膵癌に対する化学療法では、予後改善の期待できる治療薬の選択肢が多くなり、ステージIVbに対する全身化学治療、局所進行癌に対する化学放射線治療、切除可能癌に対するNeo-adjuvant、Adjuvant治療も積極的に行われるようになってきた。外科治療では、腹腔鏡下治療の占める割合が多くなると同時に、化学療法によるダウンステージング後の切除例も増加してきている。本パネルディスカッションでは、胆膵疾患の診療における各施設の新しい試みを報告して頂き、胆膵診療のさらなる発展につながることを期待したい。

 

ワークショップ1「消化管腫瘍性病変の診断と治療の進歩」
司会:樫田 博史(近畿大学消化器内科)
司会:石原  立(
大阪国際がんセンター消化管内科
内視鏡を始めとする技術の進歩は、消化管腫瘍性病変に対して、一方でより低侵襲な診断、他方でより精密な診断をもたらし、微細血管や細胞や分子レベルの観察も現実となっている。治療面では、外科手術は縮小手術、逆に内視鏡治療は適応拡大の方向であり、内視鏡的全層切除も試みられている。また内科と外科のコラボレーションも広がりつつある。 色々な方法が開発される一方で、適応や治療成績、有害事象/合併症に関する評価は今後の課題である。本セッションでは、各施設で最近取組んでいる消化管腫瘍性病変に対する新しい診断法/治療法や工夫を報告していただき、その特徴や欠点について討論したい。現状の問題点を解決する糸口となりうる手法に関しては、少数例の検討でも良いので報告していただき、今後のさらなる可能性を探っていきたいと考えている。咽頭から大腸までどの部位でも構わないので、内視鏡に限らず外科や放射線科からの発表も歓迎する。

 

ワークショップ2「生活習慣病と消化器疾患」
司会:渡  二郎(兵庫医科大学内科学消化管科)
司会:福田 和人(市立池田病院消化器内科)
肥満の成立には、栄養物の代謝や腸内細菌叢が関与している。内臓脂肪型肥満は、メタボリック症候群を引き起こし心血管疾患の発症に関わる主な原因とされているが、消化器領域でも、生活習慣病に関連して発生する様々な消化管、肝胆膵疾患が存在する。近年の疫学調査では癌の危険因子としても注目されている。内臓脂肪型肥満はインスリン抵抗性を基盤として、脂肪細胞の慢性炎症、アディポサイトカインなどを介して疾患の病態形成に関わっている。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)から肝硬変、肝癌への進展、胆石、膵炎、逆流性食道炎やバレット食道からバレット食道癌の発生、IBSなどの機能性胃腸症や潰瘍性大腸炎・クローン病などのIBD、さらに大腸ポリープや大腸癌の発症との関連性が注目されている。本ワークショップでは、肥満を基礎とするメタボリック症候群や生活習慣病と関連する消化器疾患の実態、今後の診療のあり方、研究の方向性などについて基礎、臨床の両面から幅広く討論したい。多くの応募を期待する。

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