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近畿支部第108回例会 司会の言葉

近畿支部第108回例会 司会の言葉

シンポジウム「生物学的製剤時代におけるIBD治療の現状と課題」
司会:飯島 英樹(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学)
司会:松浦  稔(京都大学医学部附属病院内視鏡部)
近年、炎症性腸疾患(IBD)に対する内科的治療の進歩は目覚ましく、特に抗TNF-α抗体に代表される生物学的製剤の登場はその優れた治療効果や患者QOLの向上に留まらず、IBDにおける治療目標や診療体系を大きく変えたと言っても過言ではない。それ故、今後市場への登場が予想される接着因子やIL-12/23p40を標的とする新たな生物学的製剤に対する期待も高まっている。しかしながら、IBD診療における生物学的製剤の位置づけや適応選択、二次無効への対策とその治療適正化、感染症や悪性腫瘍に対するリスク管理、妊婦・小児例への対応などさまざまな臨床的課題も出てきている。そこで本セッションでは、IBD診療における生物学的製剤にまつわる演題を幅広く募集し、その現状と課題を浮き彫りにすることで、生物学的製剤の有効性のみならず、より効果的な使い方やその工夫など、明日からのIBD診療の一助となる発表を期待したい。

 

シンポジウム「胃・大腸腫瘍に対する内視鏡治療の限界と可能性」
司会:樫田 博史(近畿大学医学部内科学教室(消化器内科部門))
司会:豊永 高史(神戸大学医学部附属病院光学医療診療部)
胃・大腸腫瘍に対する内視鏡治療の限界について論じる場合、技術上の限界と、癌の場合は根治性からみた限界とがある。技術上は、特殊な局在や周在性、高度線維化、スコープ操作が困難、粘膜下腫瘍などが限界となり得る。根治性からみた限界としては、胃癌ESDガイドラインにおいては絶対適応・相対適応・適応外に分けて論じられてきたが、長期成績が明らかとなるに従って適応拡大の論議が高まっている。大腸癌治療ガイドラインにおいては、内視鏡的摘除された pT1(SM) 大腸癌に対してリンパ節郭清を伴う追加腸切除の適応基準が示されているが、結果的には over surgery になる例も少なくない。  従来の困難症例も、今後は機器や手技の進歩によって、より簡便かつ安全に切除可能になるであろう。外科とのコラボレーションはすでに始まっているが、内視鏡のみによる全層切除への動きもある。転移予測できる血液マーカーが発見されれば、内視鏡治療の適応が拡大するであろう。現時点での限界を明らかにするのみでなく、将来に繋がる可能性を秘めた演題を期待している。

 

ワークショップ「小腸内視鏡がもたらした診断と治療の進歩」
司会:馬場 重樹(滋賀医科大学消化器内科)
司会:河南 智晴(大津赤十字病院消化器内科)
カプセル内視鏡やバルーン内視鏡の登場は、小腸疾患の診療にめざましい進歩をもたらして来た。従来余り顧みられることのなかった様々な小腸疾患の病態解明や新たな疾患概念の確立がなされ、診断・治療のストラテジーも確立しつつあるかに思われる。一方、内視鏡診断の限界、挿入困難例や内視鏡治療難渋例の存在、小腸内視鏡に対応したデバイスの欠如など今後解決するべき課題も数多く存在する。これらの諸問題解決の端緒とすべく、本ワークショップでは小腸内視鏡が診断や病態解明、治療に有用であった症例、稀少疾患の内視鏡所見、挿入・治療手技やデバイスの工夫、治療成績、胆膵領域への応用など、幅広く演題を募集する。日常臨床におけるちょっとした工夫やtipsなども披露していただけると有益なセッションになると考える。本ワークショップが更なる小腸臨床の発展に役立つような実践的な内容を期待している。

 

ワークショップ「C型肝炎の制圧に向けたDAA 治療の進歩と問題点」
司会:伊藤 義人(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学)
司会:西口 修平(兵庫医科大学肝胆膵科)
C型肝炎の治療において、現在までに種々の直接抗ウイルス剤(direct acting antiviral;DAA)が実臨床の場に登場し、高率にHCV の排除が得られるようになった。しかしながら、症例に応じた薬剤選択の問題、治療不成功となり薬剤耐性変異を生じた症例や併用禁忌薬服用中の症例の治療をどうするかなどの問題も残されている。本ワークショップでは上記問題やreal worldにおけるDAA治療成績や副作用などについてまず検討したい。さらに、DAA治療では高齢者、代償性肝硬変、様々な合併疾患を持つ症例にも治療適応が拡大したため、SVRが肝がん発生、肝線維化改善、肝予備能改善などに与えるインパクトを含めpost SVR診療において注目すべきポイントなども議論したい。

 

ワークショップ「外科手術、化学療法を含めた膵癌治療の最前線」
司会:谷  眞至(滋賀医科大学外科学講座)
司会:竹山 宜典(近畿大学医学部外科)
難治がんの代表である膵がんは、未だに予後不良であり、予後改善のためには化学療法や新規治療法を外科切除と組み合わせた効果的な集学的治療法の開発が重要である。そこでは、有効な化学(放射線)療法のregimenを、膵頭十二指腸切除術に代表される侵襲度の高い外科切除と組み合わせて、どのようにシームレスに術前・術後療法を行うかが問われている。また、膵がん患者は高齢者や代謝栄養状態が不良である症例も多いことが他疾患との大きな違いであり、個々の症例に応じた適切な治療方法の選択に実地臨床では苦慮することが多い。そこで膵がんの予後改善に対する各施設の最新の取り組みを発表していただくとともに、診療科横断的な議論を行いたいと考えている。

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