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近畿支部第109回例会 司会の言葉

近畿支部第109回例会 司会の言葉

シンポジウム「消化管診療の最前線
司会:
西尾 彰功(関西医科大学総合医療センター消化器肝臓内科)
司会:掛地 吉弘(神戸大学大学院外科学講座食道胃腸外科学分野)
 食生活の変化による生活習慣病の増加や高齢化社会の到来により、消化管疾患を取り巻く環境は著しく変化しつつある。内視鏡を含めた医療機器の進歩は微細な病変の診断や質的診断を可能にするとともに、機能的診断や治療方針の決定にも幅広く用いられている。さらには、これらの機器を用いたESDやLECSなど低侵襲治療へと発展を遂げている。また、分子生物学的な基礎研究は消化管疾患の病因・病態を解明して、その成果を応用して分子標的薬や抗体製剤などが開発され治療成績が向上している。従来根治治療が不能であった消化管癌についても新規薬剤を含めた化学療法や放射線治療の進歩に伴い、奏効例ではconversion surgeryなどが治療選択枝となっている。本シンポジウムでは、領域や内科外科の立場を問わず、機能性消化管障害、炎症性腸疾患、悪性腫瘍などの様々な分野における消化管診療の最前線について自由な切り口で発表して頂きたい

 

シンポジウム「ウイルス性肝炎治療の現状と今後
司会:
丸澤 宏之(京都大学大学院医学研究科消化器内科)
司会:榎本 平之(兵庫医科大学内科学 肝・胆・膵科)
 DAA (Direct antiviral agent) による経口薬治療の登場から3年以上を経て、今やC型肝炎の治療はインターフェロン(IFN) からDAAの内服へほぼ完全に移行した。DAAによる治療によりきわめて高いHCV排除率を達成することができるようになったが、患者のQOLや代謝など種々の面でIFNとは異なる影響が生じること、またHCV排除後の発がんや、DAA治療不成功例への再治療、HBVの再活性化、といった新たな問題が生じてきている。一方、B型肝炎治療は核酸アナログ製剤の登場によりウイルス量のコントロールは可能となったが、現状での治療目標とされているHBs抗原の消失の達成は依然として容易ではなく、またHBV由来の発がんについても十分な抑制には至っていない。加えて、近年ではHBV Genotype A の感染率の増加など、疾患構造の変化も生じている。新規薬剤の開発を中心に大きく進化しているウイルス性肝炎の治療について、実臨床での成績や今後の課題について幅広く議論をしたい。多数の応募を期待する

 

パネルディスカッション「消化器癌治療の現状と未来
司会:
片山 和宏(大阪国際がんセンター肝胆膵内科)
司会:久保 正二(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学)
 近年の消化器癌診療は目覚ましく進歩している。診断面では、代謝物や遺伝子の網羅的解析による早期診断や性状診断の試みがなされ、治療薬では分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤などの新薬が次々と開発され、外科治療では鏡視下手術が普及し、ロボット手術などの低侵襲治療も行われ始めている。放射線領域でも、画像診断、IVR、放射線治療各分野で新しい試みがなされている。癌治療成績向上のためには、これらの総合力が必要となる。本パネルディスカッションでは、各方面における癌治療の現状を踏まえ、それらを改善していこうとする試みを取り上げ、議論できれば幸いである

 

ワークショップ「慢性肝疾患に対するマネジメント
司会:
福西 新弥(大阪医科大学第二内科)
司会:浪崎  正(奈良県立医科大学内科学第三講座)
 抗ウイルス薬の目覚ましい進歩によりウイルス性肝炎が制圧に向かう一方で、非ウイルス性肝疾患が増加している。非アルコール性脂肪性肝疾患とアルコール性肝障害では、発症や進展に多因子が複合的に関与し、特にNASHでは、腸肝相関を介した治療展開も注目されており、新規治療法の確立が急がれる。自己免疫性肝疾患ではPBCの病名が病態に即して変更され、AIH、PBC各々ステロイドやUDCA不応例に対する治療が課題である。肝硬変のサルコペニア対策や肝性脳症、腹水に対する新規薬剤を使用した取り組みなど検討すべき課題は多い。肝癌診療では、進行肝癌に対してソラフェニブ不応の二次治療としてレゴラフェニブが使用可能になっているが、効果や予後予測因子の探索などの課題は残されている。本ワークショップでは慢性肝疾患に対するマネジメントの現状と問題点を取り上げ、今後の診療と研究における方向性と展望について、臨床と基礎の両面から幅広く討論をしたい

 

ワークショップ「胆膵疾患診療の現状と課題
司会:
美登路 昭(奈良県立医科大学内科学第三講座)
司会:児玉 裕三(京都大学大学院医学研究科消化器内科学)
 胆膵疾患は多岐にわたり、それらの診療において様々な取り組みや工夫が積極的に施行されている。膵癌を早期発見するために、各種画像モダリティーや内視鏡関連手技を用いた工夫がなされ、地域医療圏での診断体系の構築も試みられている。切除可能膵癌に対しては、術前後の(放射線)化学治療が積極的に行われ、切除困難例に対しても予後改善が期待できる化学療法の選択肢が多くなり、conversion surgeryも増加している。IPMNは、経過観察法や手術適応に関する多くの報告があるが、いまだ議論が多い。膵神経内分泌腫瘍は、EUS-FNAによる病理診断や、オクトレオスキャンが施行可能となり、WHO2017 Endocrine Tumor分類によりその概念も変化している。自己免疫性膵炎やIgG4関連胆管炎は、非典型例の診断には苦慮することも多く、ステロイド投与期間や、再燃時の治療法など課題も多い。EUSやERCPによる内視鏡診療は画像診断だけでなく、関連手技を用いた病理診断にも応用され、診断能を改善するための様々な工夫がなされている。また、総胆管結石や悪性胆道狭窄、WONなどの治療にも様々な形で応用され、その治療効果と安全性を高めるための取り組みがなされている。本ワークショップでは、各施設での胆膵疾患診療における現状と課題について報告して頂き、胆膵診療のさらなる発展に繋げたい

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