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近畿支部第111回例会 司会の言葉

近畿支部第111回例会 司会の言葉

シンポジウム「胃・十二指腸腫瘍に対する内科・外科合同手術の現状と展望」
 司会:森田 圭紀(神戸大学医学部附属国際がん医療・研究センター)
 司会:尾島 敏康(和歌山県立医科大学第2外科)
低侵襲をキーワードに外科医と内科医が歩み寄り、2006年に胃粘膜下腫瘍に対する腹腔鏡・内視鏡合同手術(LECS)が報告された。その後、Classical, Inverted, Closed, Clean NET, NEWS,単孔式など様々な工夫が開発され、2014年には保険収載され、多くの施設で施行されるようになった。現在その適応は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が技術的に困難な早期胃癌や、十二指腸腫瘍へと拡げられつつある。特に後者においてはESDでの穿孔率が高く、LECSにかけられる期待は大きいが、乳頭近傍や膵臓側にかかる病変、大型病変など保険収載に向けての課題は多い。また外科と内科が連携して行う治療のため、主導権の問題や機器の配置など互いのバランスをどのように保つのかといったソーシャルな課題も残されている。本シンポジウムでは、胃・十二指腸腫瘍に対する合同手術に関して、現状の問題点、合併症軽減や手術時間の短縮を目指した工夫など、外科と内科の垣根を越えて様々な観点から議論し、今後の展望につなげたい。多くのご施設からの発表を期待しております。

シンポジウム「下部消化管腫瘍に対する低侵襲治療の最前線」
 司会:山本 克己(JCHO大阪病院消化器内科)
 司会:松田  宙(大阪大学消化器外科)
下部消化管腫瘍に対する低侵襲治療は、近年著しい進歩を遂げている。大腸腫瘍に対するESDは2012年に保険適応となり、2018年4月より5cm以上の早期大腸癌や5mmから10mmの神経内分泌腫瘍に対しても保険認可された。標準化のためのデバイスの開発が進んできており、T1(SM)癌に対する内視鏡治療の適応拡大についても議論されている。一方、良性ポリープに対しては、その簡便さからCold polypectomyが急速に普及してきている。外科領域においては、さらなる低侵襲性を求めて細径鉗子の使用、単孔式手術、最近では経肛門的アプローチ(TAMIS, TaTME)や2018年4月に保険収載されたロボット手術も普及してきている。今後、高齢化が益々進むが、高齢者では、患者背景や余命を考慮して、低侵襲な治療法を選択される場合も多い。本セッションでは、下部消化管腫瘍に対する低侵襲治療の現状と問題点、それを克服するための取り組みなど、幅広く議論したい。症例数の多寡にかかわらず、積極的な応募を期待する。

パネルディスカッション「早期胃癌非治癒切除症例の取り扱い 内科・外科の立場から」
 司会:赤松 拓司 (日本赤十字社和歌山医療センター)
 司会:小濵 和貴 (京都大学消化管外科)
早期胃癌に対するESDは、リンパ節転移リスクが1%未満で長期予後が外科的切除と同等のものを適応病変としている。そのため、ESD後の判定でその基準に合致しないものは、非治癒切除(内視鏡的根治度C-2)として追加外科切除が標準治療となる。しかし、そのような症例のリンパ節転移率はさほど高くなく、追加手術が過剰医療となる懸念もある。一方で、転移再発が起こった場合には、手術や化学療法では救済できず胃癌死に至る可能性も十分あることから、リンパ節転移リスクを層別化するeCura system等も参考にしつつ、個別対応しているのが現状である。近年では、高齢や併存症により手術リスクが高い患者においては、内視鏡的根治度C-2と考えられる病変に対しても、外科的切除ではなくESDを相対適応として行うこともある。本セッションでは、長期成績、年齢・合併症・病変因子別による方針、縮小手術の工夫、再発病変の特徴、サーベイランス法の工夫などについて、各施設の知見を内科および外科の立場からお示し頂き、現状や問題点について幅広く議論したい。

ワークショップ「好酸球性消化管障害の現状」
 司会:田中 史生(大阪市立大学大学院医学研究科消化器内科学)
 司会:大島 忠之(兵庫医科大学内科学消化管科)
好酸球性消化管障害(EGIDs)は好酸球性食道炎、好酸球性胃腸炎に代表される消化管の慢性アレルギー性疾患であり、近年その認知度の上昇に伴い日常診療でしばしば遭遇する疾患だといえる。本邦でも徐々にその特徴が明らかになりつつあるが、食餌等のアレルゲンとの関連性や症状発現に関連する因子など、病態生理やその評価方法について未だ不明な点も多い。また酸分泌抑制薬、経口・経静脈的ステロイド、抗原除去食といった治療の選択基準、治療介入期間、フォローアップ方針といった疾患マネジメントについても未だ一定の見解が得られておらず、課題が山積されているのが現状である。本ワークショップではEGIDsを多面的に評価し、よりその理解が深まるものにしたいと考えている。現状を踏まえつつ、今後のEGIDs診療の飛躍につながる意欲的な演題を期待する。

ワークショップ「急性胆嚢炎に対する治療戦略」
 司会:宇座 徳光(京都大学医学部消化器内科)
 司会:味木 徹夫(神戸大学医学部附属国際がん医療・研究センター外科)
急性胆嚢炎は、日常診療において遭遇する頻度が高く、早期の適切な対応が必要な疾患である。しかしながら、長年、本疾患に対する系統だった診断基準および治療方針は存在しなかった。そこでこの課題を克服すべく、各分野のエキスパートの尽力によって、2007年に本邦から世界共通の診療指針であるTokyo Guidelines 2007(TG07)が提唱された。TG07が普及する一方で、臨床現場との乖離もあり改訂がなされ、TG13を経て最新のガイドラインTG18が提唱された。しかしながら、TG18においても、ドレナージのあり方やその後の手術のタイミング、抗血栓薬服用患者への対応など、未だに議論すべき問題は多い。本セッションでは、各施設の急性胆嚢炎の診療アルゴリズムを提示いただき、現行のガイドラインの問題点を明らかにすると同時に、ガイドラインにとらわれない新たな試みについても自由に討論することを期待する。

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