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近畿支部第112回例会 司会の言葉

近畿支部第112回例会 司会の言葉

シンポジウム「非代償性肝硬変の成因と治療選択」
司会:上田 佳秀(神戸大学大学院医学研究科消化器内科学)
司会:山口 寛二(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科)
非代償性肝硬変は慢性肝疾患の終末像であり、様々な成因からなる。近年、ウイルス性肝炎治療法の進歩や脂肪性肝疾患の増加に伴って、非代償性肝硬変の成因別頻度が変化してきていると考えられる。また、非代償性肝硬変におけるC型肝炎治療が可能となったこと、肝硬変にともなう腹水や脳症などに対する様々な治療薬が使用可能となったこと、脳死肝移植の選択基準が変更になったことなど、治療法も変化してきている。本シンポジウムでは、非代償性肝硬変の成因の現状、C型肝炎治療の効果と安全性、病態に応じた対症療法の治療選択、肝移植に対する考え方や成績などについて、各施設での現状を示していただき、非代償性肝硬変に対する現時点での最適な治療法について議論したい。

シンポジウム「高齢者消化管腫瘍に対する低侵襲治療の現状と問題点」
 司会:竹内 洋司(大阪国際がんセンター消化管内科)
 司会:赤松 拓司(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科)
本邦では高齢化はますます進行し、総人口は減少するにも関わらず75歳以上の高齢者数は今後40年以上増加し続けると予想されている。また消化管腫瘍は、現時点での年齢調整罹患数で胃癌・大腸癌が一位・二位を占めるなど、数多い疾患といえる。一方で消化管腫瘍に対する低侵襲治療は、技術や機器の進歩・経験の蓄積等により種類・適応とも広がりつつあり、加えて高齢者を治療する際には、生命予後や併存疾患を鑑み、より低侵襲な治療を選択することもあろう。これらを総合すると、高齢者の消化管腫瘍に対して低侵襲治療を行う機会は今後ますます増加すると予想される。一方で高齢者においては、併存疾患や生理機能の低下などのため、低侵襲治療といえども周術期のリスクが高くなることも懸念される。本セッションでは、現状、長期成績、年齢・合併症・病変因子別などによる方針、技術や管理の工夫、チーム医療など多角的な視点で、各施設の知見をお示し頂き、すぐに生かせる工夫や注意点、あるいは今後の論点などについて共有・議論したい。

パネルディスカッション「炎症性腸疾患診療の進歩と展望」
 司会:樋田 信幸(兵庫医科大学炎症性腸疾患内科)
 司会:高木 智久(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科)
近年、炎症性腸疾患(Inflammatory bowel disease: IBD) の病態解明は飛躍的に進み、それに基づく治療薬剤として生物学的製剤や免疫抑制剤、低分子標的薬などが登場したことにより、内科治療の選択肢は大きく拡がった。また、IBDに対する治療概念も大きく変革を遂げ、臨床的寛解のみならず内視鏡的寛解(粘膜治癒)も含めたdeep remissionを達成することが目標となり、最近では組織学的寛解も視野に入りつつある。個別化医療が注目される昨今、治療の選択肢が増えたことは大きな福音であるが、その一方で診療現場では、個々の患者に対して何を根拠にどの治療を選ぶのかという新たな課題に直面している。この様なIBD診療の現状を背景に、本パネルディスカッションではIBD内科治療多選択時代における戦略として、新規治療薬剤を中心にその有用性や位置づけなどについて、議論を深めて行きたい。加えて、さまざまなモダリティーを用いたIBDの画像診断や活動性の評価、疾患バイオマーカーなどに関連したIBD診療の将来に繋がる演題や既存治療の位置づけに関する演題も含めて幅広く演題を募り、『IBD診療の進歩と展望』について活発な討論を期待したい。

ワークショップ「消化器がん薬物療法 up to date」
 司会:安井 久晃(神戸市立医療センター中央市民病院腫瘍内科)
 司会:林  義人(大阪大学大学院医学系研究科消化器内科)
悪性腫瘍に対する個別化医療の重要性が認識されて久しいが、消化器がんにおいても、MSI-high固形癌に対する抗PD-1抗体やRAS野生型大腸癌に対する抗EGFR抗体などが実臨床において用いられ、薬剤とバイオマーカーの開発が同時に行われている。また、がん遺伝子パネル検査が保険承認され、国民のがんゲノム医療に対する期待が高まっている。一方で、殺細胞性抗がん薬や分子標的治療薬においても様々な新規薬剤が登場し、奏効率の向上、生存期間の延長、毒性の低下を目指し、様々な工夫や取り組みがなされている。放射線治療や手術療法、内視鏡治療などを組み合わせた集学的治療も重要な意義がある。本ワークショップでは、各施設における消化器がんに対する薬物療法の取り組みや治療成績、副作用マネジメントを示していただき、現在の課題とこれからの治療戦略の可能性について議論したい。早期・進行期や領域を問わず、消化器がんの薬物療法の意欲的な取り組みに関する演題応募を期待する。

ワークショップ「胆膵疾患診療の最前線」
 司会:稲富  理(滋賀医科大学消化器内科)
 司会:竹中  完(近畿大学病院消化器内科)
近年、膵・胆道疾患診療における診断や治療は飛躍的な進歩を遂げている。画像診断では従来のCTやMRIに加えて、Perfusion CTやオクトレオスキャンCTなど新規modalityが登場し、内視鏡手技では造影EUSの普及、EUS-FNAにおける正診率向上の取り組み、EUS下ドレナージや経口胆道鏡など、新規のdeviceや手技の工夫が多くの施設で行われるようになってきた。また、切除不能進行癌に対する全身化学治療や局所進行癌に対する診療科横断的な治療戦略など、それぞれの病態において治療の選択肢が増えている。一方で、ERCPにおける胆管挿管や胆汁・膵液細胞診採取の工夫、良悪性胆管狭窄に対する至適ドレナージ方法の選択など、従来からの基本的技術の改良や若手医師への教育方法なども依然として重要な課題である。 本セッションでは、各施設における胆膵疾患に対する工夫や現状、臨床成績を提示頂き、課題と今後の展望について有意義な討論の場としたい。少数症例でも独創的な工夫や手技の紹介など大いに歓迎する。

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