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健康情報誌「消化器のひろば」No.16

健康情報誌「消化器のひろば」No.16

消化器どうしました?Q&A

このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. GISTって何ですか?

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 GIST(ジスト)とは、Gastrointestinal Stromal Tumorの略で、「消化管間質腫瘍」と総称される悪性腫瘍の一種です。よく知られている胃がんや大腸がんが「消化管の内側(粘膜)」から発生するのに対して、GISTは「消化管の壁(筋肉の層)」から発生するのが大きな特徴です(図)。頻度は10万人に1人程度と比較的「まれ」な腫瘍で、中高年の方に多く見られます。消化管のどこからでも発生しますが、胃にできるものが70%と最も多く、次いで小腸が20%程度と言われています。

 初期には痛みや出血といった自覚症状は出にくく、無症状の段階で検診などで偶然発見されるケースが増えています。治療方針を決めるうえで大切なのは腫瘍の部位とサイズで、特にサイズについては、2cm未満のものは厳重経過観察を、2cmを超えると手術を前提とした精密検査を、5cmを超えると手術をお勧めする、というように重要な判断基準となります。ただし、サイズが小さくても経過観察中に急に大きくなる場合は治療を急いだほうが良いとされています。

 GISTの治療の原則は手術で腫瘍を取りきる「完全切除」ですが、完全に取りきれない場合や再発、転移がある場合は「分子標的薬」を用いて治療します。治療成績は、腫瘍のサイズ、増殖力(腫瘍細胞の分裂の速さ)、腫瘍の発生部位をもとに分類した「リスク」が低いものは良好ですが、高いものは再発、転移(腹膜や肝臓など)が見られることがあります。

図

<回答者>

大阪大学大学院医学系研究科
次世代内視鏡治療学共同研究講座
特任教授

中島 清一

大阪大学大学院医学系研究科 次世代内視鏡治療学共同研究講座 特任教授 中島 清一近影

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