一般のみなさまへ

健康情報誌「消化器のひろば」No.23-8

消化器どうしました?Q&Aこのコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。

Q. 大腸内視鏡検査は定期的に受ける必要がありますか?

図

 大腸内視鏡検査の結果によって、再検査の必要性と推奨される検査間隔が決まってきます。初回の大腸内視鏡検査にて「異常なし」と診断された場合、40歳以上の方には年一度の便潜血検査による検診を継続することが勧められています。なお、便潜血検査を行わず初めから大腸内視鏡検査を行う検診が導入された場合、異常がない場合の次の大腸内視鏡検査は5年後を目処に行うことが日本消化器内視鏡学会のガイドラインでは提案されています。

 一方、初回の大腸内視鏡検査にて大腸ポリープが認められ、内視鏡切除を行った場合には、多くの場合、3年後の大腸内視鏡検査が勧められます。ただし、小さなポリープ(低異型度の腺腫)を1 ~ 2個切除したのみであれば、5年後の大腸内視鏡検査でもよいとされています。逆に以下の a ) ~ c ) の場合には、1年後の大腸内視鏡検査が推奨されます。

a)大腸がんの内視鏡治療・外科治療を行った方、b)10個以上のポリープ(腺腫)を切除した方、c)径20mm以上の大きなポリープ(腺腫)の内視鏡治療を行った方
 また、大腸腫瘍を分割で切除した場合(一つの病変をいくつかに分けて切除した場合)や検査前に内服する下剤の効果が十分ではなく便が残っていた場合などには、より短い間隔での大腸内視鏡検査が勧められる場合があります。このように、大腸内視鏡検査後の再検査の必要性や検査間隔については一般の方には判断が難しいこともあるため、詳しくは担当医にご相談ください。


 

<回答者>

東邦大学医療センター大森病院
消化器内科 主任教授

松田 尚久

東邦大学医療センター大森病院 消化器内科 主任教授 松田 尚久 近影
Share on  Facebook   Xエックス   LINE