このコーナーでは、消化器の病気や健康に関する疑問や悩みについて、 専門医がわかりやすくお答えします。
Q. AI内視鏡とは何ですか?

AI内視鏡とは、人工知能(Artificial Intelligence:AI)を使って胃カメラや大腸カメラの検査を助ける新しい技術で、すでに実際の医療現場でも使われています。
内視鏡検査では、先端に小さなカメラが付いた細長い管を口や鼻、肛門から体の中に入れ、食道や胃、大腸などを詳しく観察して、がんやポリープを探します。しかし、とても小さな病変や見つけにくい早期がんを完全に見逃さないようにするのは簡単ではありません。そこで活用されているのがAIです。AIは大量の内視鏡画像を学習し、「病変らしい特徴」を覚えています。AI内視鏡では、内視鏡のカメラ映像がAIを搭載したコンピューターに送られ、AIがその映像を瞬時に分析し、怪しい部分を見つけると画面上に印を表示します。つまり、医師が見ている内視鏡の画面を、AIも同時に見ているような仕組みです。たとえば大腸検査では、病変を見つけると病変の周囲に枠を表示し、「ここに異常があるかもしれません」と医師に伝えてくれます(図)。
発見した病変が腫瘍なのかどうかを判断する手助けをしたり、大腸炎の炎症の程度を診断したりするAI内視鏡もあります。早期のがんは、外科手術を行わなくても、負担の小さい内視鏡で治療できる場合があります。そのため、AIによって小さな異常を早い段階で見つけることが期待されています。ただし、最終的に診断するのは医師であり、AIは検査の質を高めるための補助として使われています。
現在も世界中で開発が進められており、今後さらに性能の高いAI内視鏡が実用化されることが期待されています。

