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学会より

脂肪性肝疾患の診断基準に関して

欧州肝臓学会(EASL)は米国肝臓病学会(AASLD),ラテンアメリカ肝疾患研究協会(ALEH)と合同で,脂肪性肝疾患の病名と分類法を変更し,日本消化器病学会(JSGE),日本肝臓学会(JSH)もこの病名および分類法を採用することを2023年9月29日に発表しました。また,これら疾患の日本語名は2024年8月22日に公表しております。しかし,代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD),代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD),アルコール関連肝疾患(ALD)の診断に際して利用する心代謝系危険因子(cardiometabolic risk factor: CMRF)の基準と女性の飲酒量に関しては,わが国におけるメタボリック症候群ないしアルコール性肝障害の基準とは異なる部分がありました。

その整合性はガイドライン作成委員会がアルコール医学生物学研究会(JASBRA)の見解も参考にして検討を重ね,わが国でもEASL等の発表した基準に準拠して診断することを決定しました。CMRFの中で差異が問題となった腹囲に関しては,何れの基準を用いても診断される対象が概ね一致していることなどがその理由です。一方,飲酒量に関しては,JASBRAが女性のエタノール摂取量の基準を当該基準に一致させる方針であることから,これに準じることにしました。

従って,わが国で利用する診断基準は以下のようになります。今年4月に発刊される「MASLD診療ガイドライン」に先行して,会員の皆さんに周知致します。なお,同ガイドラインを合同で作成しているJSHでも同様に決定され,両学会が同日に公開します。

<心代謝系基準(cardiometabolic risk criteria)>
1. 肥満: BMI ≥ 23 Kg/m2 or 腹囲 > 94 cm(男), > 80 cm (女)
2. 血糖: 空腹時 ≥ 100 mg/dL or 食後2時間 ≥ 140 mg/dL or HbA1c ≥ 5.7% or Ⅱ型糖尿病 or その治療
3. 血圧: 収縮期 ≥ 130 mmHg or 拡張期 ≥ 85 mmHg or 降圧薬内服
4. 中性脂肪 ≥ 150 mg/dL or 脂質異常症治療薬内服
5. HDL ≦ 40 mg/dL(男),≦ 50 mg/dL(女) or 脂質異常症治療薬内服

<MetALDの飲酒量(エタノール換算)>
男: 30~60 g/日(210~420 g/週)
女: 20~50 g/日(140~350 g/週)

 

2026年2月2日
一般財団法人日本消化器病学会
理事長 持田 智

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