学術集会・教育講演会 | Conference

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近畿支部第121回例会 司会の言葉

シンポジウム(公募)
「消化管腫瘍に対する戦略を考える〜予防・診断・治療〜」
司会:森田 圭紀(神戸大学医学部附属病院国際がん医療・研究センター 消化器内科)
司会:米田 頼晃(近畿大学医学部消化器内科)
我が国において、死因の第1位を占める悪性腫瘍(がん)の中でも消化管に起因するものが最も多く、国民の健康に大きな影響を及ぼしている。一方、近年の消化管内視鏡領域における医療機器や診断・治療技術の進歩は著しく、病変を早期に発見、臓器温存を可能にした低侵襲治療も普及している。また、一部の消化管腫瘍では、生活習慣や環境要因などとの因果関係も明らかになっており、予防についての議論も行われている。本シンポジウムでは、消化管腫瘍における予防・診断・治療をテーマに広く演題を募集し、有益なディスカッションを行いたい。

「胆膵疾患診療の現状と課題」
司会:蘆田 玲子(和歌山県立医科大学 内科学第二講座(消化器内科))
司会:稲富  理(滋賀医科大学 消化器内科)
近年、胆膵疾患における診断と治療法の発展は目覚ましい。画像診断技術の向上や体系化、内視鏡および手術デバイスの開発、手技の進化、新規薬剤の知見拡大が、膵癌や胆管癌など悪性腫瘍のみならず、急性・慢性膵炎や胆管炎などの良性疾患診療にも大きな影響を与えている。具体的には、超音波内視鏡(EUS)や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)に関連する技術、術前や切除不能癌に対する化学療法、遺伝子解析による個別化医療などが挙げられる。しかし一方で、これらの技術や治療の標準化や最適化など解決すべき課題も依然として存在する。本セッションでは、各施設が取り組んでいる画像診断技術の応用、内視鏡診断・治療アプローチ、治療成績向上や合併症低減を目指した手技の工夫や教育方法、薬物療法のマネージメントなど、診療現場で直面する限界点や問題も含めて幅広く演題を募集する。新たな知見の共有や今後の展望に関する活発な討論を行いたい。

 

パネルディスカッション(公募)
「免疫チェックポイント阻害剤の新時代」
司会:佐藤 太郎(大阪大学医学部附属病院がんゲノム医療センター)
司会:上嶋 一臣(近畿大学医学部消化器内科)
消化器癌領域における免疫チェックポイント阻害薬は、2017年のニボルマブの胃がんサルベージラインを皮切りに、食道がん、大腸癌、肝癌、胆管がん、MSI-H固形癌とその適応が広がり、術後補助療法やファーストラインなど、治療ラインも多様化している。投与法も、単剤での使用のみならず、化学療法との併用、免疫チェックポイント阻害薬との組み合わせ、HCCでの血管新生阻害薬との組み合わせなど、レジメンも多岐にわたる。投与法の多様性にともない、irAEに代表される、特徴的な副作用にも、よりきめ細かい対応がもとめられるようになった。MSI-Hは、確立した効果予測のバイオマーカーと考えられるが、PDL-1に関しては、そのアッセイの方法やカットオフ、それに応じた適応の可否もいまだ確立していない状況である。本シンポジウムでは、これらの問題点における、各施設の対応を発表いただき、より良い免疫チェックポイント阻害薬の使用にかんし、議論を深めたいと考える。

 

ワークショップ(公募)
「肝細胞がん・肝内胆管がん診療の最前線」
司会:森口 理久(京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学教室)
司会:小松 昇平(神戸大学大学院医学研究科外科学講座肝胆膵外科学分野)
肝細胞がん・肝内胆管がんに対する薬物療法の進歩は目覚ましく、多くの分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤が使用可能となっている。近年では、奏効割合の高いレジメンの登場により、外科的切除へのコンバージョンが可能となる症例も散見され、また、肝細胞がんでは、薬物療法に肝動脈化学塞栓術(TACE)を併用することで成績の向上を目指す治療戦略も提案されるなど、進行癌に対する集学的治療の重要性が高まっている。一方、肝細胞がんに対する焼灼療法においてはラジオ波だけでなくマイクロ波も普及しつつあり、また、2022年には肝細胞がん・肝内胆管がんに対して粒子線治療も承認され、さらに治療の選択肢が拡大している。本ワークショップでは、各施設における肝細胞がん・肝内胆管がん治療の現状と課題について提示いただき、新たな治療体系構築に向けて議論したい。

「炎症性腸疾患診療の現状と課題」
司会:横山 陽子(兵庫医科大学医学部消化器内科学講座)
司会:細見 周平(大阪公立大学大学院医学研究科消化器内科学)
近年、様々な生物学的製剤や分子標的薬剤の登場により、難治性の潰瘍性大腸炎やクローン病に対する治療オプションが増えた。また、新規バイオマーカーを含む客観的指標による複合的モニタリングが、T2T治療戦略として、炎症性腸疾患の長期予後改善に寄与する可能性も明らかとなりつつある。しかし一方で、小児・AYA世代から高齢者まで幅広い年齢層が対象となる炎症性腸疾患診療において、妊娠症例、腸管外合併症や併存疾患を有する症例、高齢発症症例など、様々な背景因子を考慮した診療ストラテジーは確立していない。本ワークショップでは、こうした現状を踏まえ、各施設における内科的・外科的治療戦略、各種バイオマーカーの活用方法、スペシャルシチュエーションへの対策、チーム医療の実践などの現状について、幅広く演題を募集し、疑問点や課題点の共有や議論を通して、今後の診療につながる有意義な討論の場にしていただきたい。

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